重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは
重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)はSFTSウイルス (SFTSV)によって引き起こされるダニ媒介性の人獣共通感染症です。中国で2011年に世界で初めて患者が報告された後、国内では2012年末に患者が報告されました。病原ウイルスであるSFTSVはブニヤウイルス目フェヌイウイルス科バンヤウイルス属に属するウイルスであり、主な媒介マダニとしてはフタトゲチマダニが報告されています。
都道府県別の発生状況と症状
2017年にはネコ・イヌ・チーターにおけるSFTS発症が相次いで確認されました。
SFTS陽性個体について集計したデータを、以下に示します。
SFTS陽性個体について集計したデータを、以下に示します。
SFTS発症猫及び発症犬に認められた症状
SFTS発症ネコにおいて多く認められる症状として、元気・食欲低下、発熱、嘔吐、黄疸などがあげられます。
血液検査値については、白血球数減少、血小板数減少、肝酵素 (AST)の上昇などが認められる他、クレアチンキナーゼや、総ビリルビンについても診断的な価値は高いものと考えられます。
イヌの発症例については、症例数は少ないものの、ネコと同様の症状が認められ、消化器症状としては下痢、血便などが認められます。
血液検査値については、白血球数減少、血小板数減少、肝酵素 (AST)の上昇などが認められる他、クレアチンキナーゼや、総ビリルビンについても診断的な価値は高いものと考えられます。
イヌの発症例については、症例数は少ないものの、ネコと同様の症状が認められ、消化器症状としては下痢、血便などが認められます。
SFTS発症猫及び発症犬に認められた症状
SFTSへの対策
現在のところ、SFTSVに対する予防及び治療法は存在しません。そのため、現状では媒介するマダニの刺咬を可能な限り防ぐことが感染予防に最も効果的です。ダニの生息場所に可能な限り動物を近づけさせないようにしましょう。野生動物が出没する場所や道端の草むら、畑などにもマダニは生息しています。また、マダニによる吸血を防ぐために、市販の駆除薬、及び忌避薬の使用を予防的に使用することが強く推奨されます。
更に、SFTS発症動物から、飼い主・獣医師・獣医療関係者が感染する事例も報告されています。SFTS発症動物のみならず、健康な動物とも節度ある接触に心掛けて下さい。
更に、SFTS発症動物から、飼い主・獣医師・獣医療関係者が感染する事例も報告されています。SFTS発症動物のみならず、健康な動物とも節度ある接触に心掛けて下さい。
SFTS検査依頼
動物のSFTS検査を依頼される機関の担当さまへ
動物のSFTS調査・集計システムは、DAS(Dead Animal Surveillance)システム上で稼働しています。
検査依頼される機関担当者様は、ご登録をお願いいたします。
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- ◆未登録機関の担当者さま
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- ◆登録済み機関の担当者さま
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SFTSの検査について
- ◆SFTSV遺伝子検出:  血清
SFTSV S分節を検出する複数のプライマーセットを使用したRT-PCRによってSFTSV遺伝子を検出します。
- ◆抗SFTSV抗体検出:  血清
ELISA法による抗SFTSV IgM抗体及びIgG抗体の検出を行い、IgM抗体の存在、あるいはペア血清でIgG抗体の上昇が認められた場合、SFTSV陽性と判定されます。